トトのわんぱく奮闘記
甘噛みから咬みつくようになり生後4ヶ月で立派(?)な問題犬になったトト。
悩みながら、互いの信頼関係を取り戻すために奮闘したトトと私たちの成長記録
わんぱくファイル2
「犬のしつけって」→
「しつけ教室編その1」→
「しつけ教室編その2」→
「しつけ教室編その3」→
「しつけ教室編その4」→
totoに当たった?

2001年4月、わが家にビーグルの男の子が生後37日でやってきた。ちょうどこの頃、サッカーくじのtotoが発売され、連日CMで「toto」というコトバを耳にした。
そこで、この子が我が家にとっての1億円の当たりクジと言う思いもこめて 「トト」と命名した。まだシワだらけのオヤジ顔のトトは可愛らしさとともに、日ごとわんぱく坊主へと変身していった。

生後1ヶ月で、親兄弟と離したのが問題犬となる一因だった。
天使と悪魔

最初の一番の悩みは、とにかく私の手への甘噛みだった。 昔は鼻先を叩いて叱ったが、今は本によると叩いてはダメ。 強く、低い声で一言だけ叱るか、手を隠す、噛んだら遊ばない、部屋から出て無視をすると良いと書いてある。
どれも、試したが効果がない。叱ると尚さら興奮し、手を隠すと飛びついて身体を噛んでくるようになった。
部屋から出ても淋しさでギャンギャン泣くだけで、おとなしくなって戻ると元通り。 まさに、寝ているときは天使、 起きると悪魔だった。

子犬のしつけ方なる本はトトには適用しなかった。
パピー教室へ

トトが生後3ヶ月に入 ると、インターネットで知った動物病院のパピー教室へ行った。
ココではじめて遊んだ犬はゴールデンレトリバーの女の子、4ヶ月でトトより4〜5倍はある大きさ。
最初は怖がったがすぐに慣れ、飛びついたり、追いかけたり、じゃれ噛みしたり。
しつけは陽性強化(褒めて教える)で、 体罰は一切しない。ごほうび(フード)を使って教えていく。
ここへ通う前に、家の中でオスワリとフセは教えていたので、 最初の頃は一番の優等生だった。
犬との遊びも覚え、この病院へ行くと大喜び。 でも、問題はこのへんからこじれだしたのだった。

教育ママと遊びたい盛りのヤンチャ坊主との間に亀裂が…。
飼い犬に噛まれた!

ある夜、ヒザの上で寝ているトトを、そろそろサークル内に戻そうと動かしたら、ガウッという声とともに手を噛みつかれた。
いままでの甘噛みとは違う噛み方だった。その頃、パピー教室で習った脚側行進(犬を左横につけて歩くこと)を激しくイヤがり、フードを持っているとコマンド(命令)は聞くが、ないと言うことを聞かない。
ガミガミ攻撃も手から足、服とところかまわず。幼犬の乳歯は鋭く、しかも噛みついて引っ張るから、手足はキズだらけ、 服は破れるというのが日常茶飯事になった。
パピー教室の獣医さんに相談すると、ビターアップルという苦い味のスプレーを使ったらと言われたが、もう試し済み。何を使っても、噛みたいものはどうやっても噛むといった具合だった。

人間のだだっ子と同じ。興奮症で自分の思い通りにいかないと爆発!
散歩にも行けない

トトの噛む物は手当たりしだい。とくに私が持っている物はなんでも遊び道具と思っているから、飛びついて取ろうとする。
うっかり、手から落とすと素早くくわえてガジガジ、足で押さえてビリビリ、ボロボロ。
取り返そうとすると、 うなりながら怒ってくる。無理に取り返すと手にガブリ。繰り返すごとに、その噛み方は強くなってくる。 押さえつけたり、 マズルをつかんだり。
フードを使うと、とりあえずオスワリやフセはする。
家の中ではこういう状態で、外に出ると今度は、 拾い食い。葉っぱや石、紙、ビニール、道に落ちている物何でも。
それをやめさせようとリードを引っ張ると、 私の足に食らいついてくる。離そうとリードを引っ張るとトトは首吊り状態。
この頃から、抱き上げようとすると、 手にガブリ。トトの足を拭こうとするとガブリ。とにかく四六時中、フードを持っていないと、噛みつかれた。

インターネットや本で調べていろんな方法を試したが、事態はますます悪化。
もう、どうすればいいの?

1ヶ月間のパピー教室を終了してからますますひどくなり、自分の欲求を噛む、吠えるで訴えるようになった。
パピー教室の獣医さんに相談すると、問題行動専門の先生に問い合わせてくれた。
今の時期、エネルギーを持てあましているので、なるべくエネルギーを発散させることが先決。陽性強化でしつけるなら、押さえつけたり、マズルをつかむのも体罰だからヤメた方が良いと。
でもどうすれば?もう私の精神力もボロボロ、限界に近かった。散歩以外は部屋のサークル内にいるトトは、起きているときはつねにイライラしている様子。
はじめはこんなワンコではなかったのに。トトと私たちの信頼関係はもう修復できないの? よその家で暮らす方が幸せなのでは…。
でも、トトがいなくなることを考えるとつらかった。

わたしたちのしつけ方がトトをこんなワンコにしてしまったという自己嫌悪。
元気で好奇心旺盛

もうすっかりグレてしまったトトだったが、他の人や犬を傷つけることはなかった。
自分にとってイヤなこと (叱ったり、押さえつけたり、足を拭いたり、自分の物を取り上げたり)をしなければ、噛みついたりしない。
パピー教室のおかげでワンコとの遊びも大好き。友だちワンコを見つけると「ボク、遊ばなきゃ」って感じで、 私たちの制止も聞かずに走っていく。(本来、小心者のトトは月齢を重ねるとともに、知らない犬や人に吠えるようになってしまった。これも困ったことだ)
また色んな物に興味津々、ニオイを嗅いで確かめ何でもかじってみたいのだ。 フレキシブルリードにするとうれしそうに小躍りに走り回る。
鳥や風に舞うビニール袋さえ追いかけ、まさにエネルギーいっぱいの猟犬の血が騒ぐ。本当は甘えん坊で淋しがり。
もう1度、トトとの信頼関係を取り戻すために、 ドッグスクールや犬の出張訓練を捜し始めた。

ビーグルの特性を知らずに飼ってしまったわたしたちの過ち。
出張トレーニング

ドッグスクールを訪ねたり、犬の訓練士に訪問してもらったが、どうもやり方が合わない。
家の中での行動にとくに問題を抱えていたので、自宅に来てトレーニングしてもらえる訓練士を捜していた。
するとたまたま家の近所に出張訓練してくれるトレーナーさんが見つかった。さっそく家に来てもらい、毎週1回、約30分の訓練がはじまった。
このときトトは生後6ヶ月、トレーニングはもちろん、わたしはトトのことを相談できる人ができたことで、 精神的にずいぶんラクになった。

育児ノイローゼからの脱出。これからが本当のスタート。
飼い主の訓練

服従訓練にはチョークチェーンを使った。これは使い方にコツがあり、合図を送るときだけ引いて、 すぐゆるめなければならない。
リードを引っ張るトトはチョークチェーンをすると当然、つねに首がしまった状態になる。 でもこれでは意味がない。引っ張ろうとするとき、リードを一瞬引いて首に合図(ショック)を送り、ゆるめる。 それで引っ張らなかったら褒める。
訓練士さんはこのタイミングが上手いので、最初、抵抗していたトトも訓練士さんと歩くと引っ張らなくなった。
でも、わたしたちがやると上手くいかない。イヤなときは、噛みつく。ここで叱ると興奮して、さらに噛みつく。
チョークチェーンの使い方、トトが噛みついたら冷静に対処する。毎週の訓練はまさにわたしのトレーニングだった。

一進一退。噛み傷は減らないが、あきらめていけない。
自分で考え、学習するワンコ

トレーニングは、家の近所の広場で基本のしつけ(スワレ、フセ、コイ、マテ、ツイテ)と自由行動。
家を出てから帰るまでが訓練。トトは外に出るとビーグルの特性でとにかくニオイを嗅ぎたがる。
それをやめさせるため 、チョークチェーンをなるべく、首の上の方にもってくる(でも締め付けてはいけない)と、自然と顔を上げて歩くようになるのだ。
ただ、歩くうちにだんだん下にずれ、顔が地面に近づく。そこでいったん座らせて、チョークチェーンの位置を戻すのだが、何回か繰り返すと、今度は「スワレ」と言っても座らなくなるのだ。
トトにすれば「だって、座ったらまた首のとこを直すでしょ。そしたら地面のニオイが嗅げないもん」という訳。
ワンコってほんと、賢い。これでまた、 座るといいことがあるよって教え直すのである。

賢いワンコは間違って学習すると大変。人間がもっと賢くならなければ。
犬もおだてりゃ木に登る

わたしの号令(声符)は日本語と英語のチャンポン。お座りは「スワレ」フセは「ダウン」来いは「カム」止まれは 「ステイ」待ては「マテ」左脚側につけるのは「ツイテ」そして立ては「スタンド」。
これに、それぞれ手の動き(視符)が加わる。声だけで反応する方が良いらしいが、年老いて耳が聞こえなくなったとき、視符も覚えていると良いという話も聞いたことがある。
トトは物覚えが悪い方ではない。ただわがままで頑固なので、自分がしたくないことを強制させられるのがイヤ。
一方、褒めコトバは大好き。チョークチェーンをするときも「カッコイイ〜」とほめちぎって付けた。
新しいことを覚えるとき、はじめはできなくても、上手くいくと、こっちもうれしくてつい褒めコトバのトーンが上がる。
トトもわたしが喜んでいるのがわかるから、今度は「ほら、ボクできるでしょ」って自慢げにやるのだ。

成功が肝心。飼い主がうれしいことはワンコだってうれしいのだ。
わんぱくビーグル

トトは遊び好き。ワンコと遊ぶのがいちばん好きだが、ボールの持ってこいも一応できる。
一時ロングリードで遊ばせようとしたが、リードをくわえて走り出すのだ。しかも自分で短く束ねて口いっぱいに頬ばって。
わたしがロングリードを持つと今度はひっぱりっこになる。ひっぱりっこは「口を使う」ことを強化するのでやめた。
家の中での 遊びに宝探しゲームがある。わたしたちがオモチャや犬のガムを家のどこかに隠し、それをトトが探すのだ。「宝探しゲーム」というと、隠すまでじっと待っている。そして「探せ」の合図とともに得意の鼻を使い、 どこに隠しても必ず見つけだすのだ。
トトって麻薬捜査犬になれるんじゃない?って思ったほど。

家の中でも外でもお宝をゲットするのが、キミの特技だね。
楽しい人生と犬生を送ろう

訓練士さんとのトレーニングは1年以上を経過し、一応終了した。
普段の散歩での引っ張りグセも、知らないワンコへ吠えるのも、噛み癖がまったくなくなったわけではない。
ただ、持てあますエネルギーを発散できないイライラ感が少なくなり、ずいぶん落ち着いてきた。新しいワンコ(profileに紹介)が家族として増えたのも良かった。
トトと気持ちが通じ合えるようになった気もする。いっしょに生活していく上で問題や悩みはまだまだある。
でも、他のワンコとくらべるのはやめよう。これがトトの個性なのだから。わたしたちも悩み苦しんだけど、トトの心もたくさん傷つけてしまった。
ゴメンね。これからも家族としていっしょに人生と犬生を楽しもうね。

お父ちゃんもお母ちゃんもトトが大好き。でも、イタズラは控えてね。
 

◆追記◆

ペット可のマンションとは言え、近所から苦情が出ないように飼おう、そんな気負いがあったトトのしつけ。「ビーグルってよく吠えるんですよね」って、同じマンションの人に言われたことも。
でも、トトをわが家に迎えてからの約1年半、トトの声より私の怒号の方がすごかったかも。毎日のような取っ組み合いも。
そんな中でも川や山、海へも出かけた。川で泳ぎ、草むらを走り回り、たまに友だちワンコと遊ばせると、いつまでも遊び続けるトト。ほんと、エネルギーに満ちあふれていた。
訓練をはじめてからは、トトもよく頑張ったと思う。
犬種による作業能力に違いはあるかもしれないけど、○○(犬種)だから賢いとか、○○だからダメと言うことはないはず。ワンコから信頼される飼い主に、またパートナーとして彼らのことを信頼して欲しいと願う。(2003年11月)

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